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■街は誰のものか? ~相模大野・東林間~


 高校まで過ごした実家では、昔あった山は削られ新しい道や橋が出来ている。砂浜には堤防が築かれ、実家も建て替えられている。昔の風景は自分のなかにしか残っていない。

 出て行った者は、変わってゆく故郷を寂しがるが、そこに住む者は昔のままでは暮らしてゆけない。街は、まずはそこに住む人たちのためにあるから、変わってゆくのはやむをえない面もある。

 風景が変わってゆくのは生まれ故郷だけではない。ここ相模原でも、常に昔の風景は消え新しい風景に変わっている。その中でも悲しいのは、豊かだった緑が、実は私有地であったために宅地となって消えてゆくことだ。緑豊かな街に出来たはずのマンションは、自らの建設によって緑が消え、つまらないコンクリートのマンションに成り下がる事例を見ることがある。

 だから筆者はいつも、公園のそばに住むことにしている。公園の傍に住めば、公園が自分の庭のように感じられるので気分が良くなるし、私有地の緑よりは消える確率も低いからだ。

 ときどき市や区の所有地にある緑を、わざわざつぶしてどうでもいいような建物を建てるエイリアンがいる。おそらく、天下り先の施設でも作るつもりなのだろう。

 筆者はそんなニュースを耳にすると、酒に酒を飲まれて体を壊すアルコール依存症患者を連想する。アルコール依存症患者は酒を飲んではいるが、酒を飲むことを楽しめない不思議な病気だ。

 緑をつぶして建物を建てるのは、街に住むことを楽しめない病気の人がやることだと思う。もしかしたら、遠くから通ってきていて、その街には興味がないのかもしれない。

 それでも、そこに住む人たちが、これからもそこに住み続けるために街が変わるのなら、それも一つの選択だと思う。街は、まずはそこに住む人たちのためにあるからだ。

 しかし、そこに住む人のためでもなく、ただ遠くから人を呼ぶためだけに大きなビルを建てるのはやめて欲しい。街に関心のない人たちによる開発はごめんこうむりたい。かれらは、儲けるだけ儲けて、ダメになったらすぐに引き上げ廃墟を残す。もともと街に愛着がないのだから、当然の行動だと思う。

 街づくりに関わりながら街に住むことを楽しめない人たちは、生きることを楽しめない病んだ人たちだ。

ー2006/11/6


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